林業について

林業について

皆さんは林業にどんなイメージを持っているでしょうか。木を伐採するというと「自然を破壊している」と考える方もいるかもしれません。実際はどうなのでしょうか。林業が必要な理由や、作業の流れについてご紹介していきます。

日本の森林の今

日本の森林は面積約2500ヘクタールで、これは国土の67%にのぼります。さらにそのうち41%を人工林が占めています。木材生産目的で植林された人工林の約7割が、戦後に植えられたスギやヒノキ。成長が早く日本の自然環境に適応できることからよく植えられました。現在、これらのスギ・ヒノキの多くが木材としての利用に適した時期を迎えています。

林業は何のためにある?

自然の摂理で競争や世代交代が行われていく自然林と違い、人工林には人の管理が欠かせません。手入れされない森林は、土壌流出の危険が高まったり、野生動物の食害を招いたり、木が高齢化して光合成の効果が減ったりといった問題を引き起こすことがあります。林業はこれらの人工林を適切に管理することで森林を健全な状態に保ち、木材を生産・流通させることで社会を支えています。多くの人工林が農業でいう”収穫”に適した時期を迎えている今、伐採と植林による森林の更新は持続可能な社会をつくる上でも重要です。

林業のサイクル

林産物の使いみち

建築用材

木造住宅などの建築物に用いられ、柱・梁をはじめ建物のさまざまな箇所に使われます。木に何も手を加えない無垢材や、スライスした板を貼り合わせた合板材などがあります。

製紙用パルプ

原木の皮を剥ぎ、ちりを除去した後に機械で細断しパルプを作ります。新聞紙などの紙製品に使われます。

バイオマス燃料

原木を細かく砕いて木質ペレット(固形燃料)やチップを作り、バイオマス発電(生物資源を活用した発電)の燃料として使います。木質木材として利用できない枝なども活用できます。

薪ストーブ、薪窯などの燃料として使います。

木製品

家具・食器・工具・文房具・インテリア商品など幅広い製品に木が使われ、暮らしに木の温もりを与えてくれます。

工事

柵、杭、看板など、土木工事の資材としても幅広く木材が活用されています。